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「技能五輪・初めての挑戦」第3回は、機械組立て職種に挑戦する野村ユニソンの小口勝也さん。
野村ユニソンは、中空鍛造、ダイカスト、金型をはじめ液晶や半導体、太陽電池、自動車のFA関連装置の設計・製造やロボットの開発・製造、ワイン販売事業まで広く社会に貢献する企業だ。会社としても、小口さん個人としても初めての技能五輪への挑戦となる神奈川大会。2012年の長野大会も視野に入れ、1ミクロンを追求する日々について訊いた。
黙々と、こつこつと、文句も言わずに取り組んでいる。「口数は少ないが芯の強い子です」と北澤指導員。
「技能訓練道場」と書かれた一見重々しい雰囲気の漂うドアを開けると一転、拍子抜けする程ほのぼのとした空気の小口さんと指導員のお二人に出迎えられた。
小口さんは入社2年目の19歳。子供の頃は大工職人の祖父と木のおもちゃを作り、工業高校時代は車型ロボットの製作やロボコンへの出場と、ものづくり好きが高じて入社した野村ユニソン。入社当初は機械部品加工の職場に配属されたが、5ヶ月後には、ものづくり塾に異動となり技能五輪を目指すことになる。(というのも、諏訪圏地元企業の新入社員が集う研修の一貫で行われたEPSONのやすりがけ研修。そこで優秀な成績を収めたことから、小口さんはこの塾に配属となった。というのは裏話で、、)当時は急な異動の上、何をするのかも分からず不安でいっぱいだったそうだが、地道に取組みものづくり塾に入ってもうすぐ一年。今は、一日8時間、課題製作に取組み、やすりで1ミクロンの精度を作り出す感覚を身に付けている。技能訓練道場(ものづくり塾技術技能支援室)で、匠二人に指導を受け、たった一人で初めての技能五輪・機械組立て職種に挑む。
毎日やすりをかけ続け、手の感覚で削れるようになってきた。ペンだこならぬ「やすりだこ(?)」のできた手のひら。
機械組立て職種とは一体どんな職種なのか?
抜き型職種が工作機械で加工した後に、仕上げとしてやすりがけを行うのに対して、機械組立てはすべて人の手でやすりがけして仕上げる。究極の精度を要するだけでなく、全身の感覚でひたすら部品を削り、仕上げていく。体力はもちろんのこと、精神力がなければ到底立ち向かうことはできない職種だ。強い気持ちが無ければ、到底一日8時間のやすりがけを続けることなんてできないだろう。物静かで口数の少ない小口さん、表には出さない強い意志の持ち主だ。
加工しているものより手の方がボロボロになっていく。手も痛いしうまく削れなくて辛い時もあった。それでも弱音も吐かず黙々と取組み、ようやく感覚が身についてきたのが最近のこと。製品を作れるようになり、ガタガタと動いていたものが初めてきれいに動いた瞬間の嬉しさはたまらないものだったそうだ。「やっぱり機械装置を作るんだから動きが欲しい!」と、根っからのロボット好きは笑顔をみせた。
技能五輪に向けて、毎日課題を時間内(6時間50分以内)に完成させる訓練を一日中やっている。きれいに平面を出すために、やすりをまっすぐに当てること、作業姿勢、手の力の入れ具合、ひとつひとつ調整しながらただひたすら削り続ける。
「削れる量はやすりによってだいぶ変わってきて、だいたい1回削ったら何ミクロンみたいな感覚でやっているんですが、なかなか思ったようには削れずに、、、でも時にきれいに寸法が出た時は嬉しいです」
感覚でどのくらい削れたかが、すこしづつ分かってきた。辛さの中にあるやすりがけの面白さも感じられてきた。もっと早くもっときれいにー、を目標に毎日やすりをかけ続ける。
小口さんは二人の指導員とともに技能五輪への道を歩む。その指導員のお二人は、匠ともいえる錚々たる経歴の持ち主だ。
EPSONで指導を10年、精密機器組立て部門・世界大会で優勝した畑弾手選手などの選手養成にも携わり、退職の後、野村ユニソンで技能五輪選手養成の指導員となった北澤指導員。2008年、機械組立工職種において信州の名工にも選ばれ、この道40年の得間指導員。お二人と小口さんの計3名で日々の訓練は行われている。
北澤指導員曰く、「出会った当初は、口数も少なく「覇気が無い」という印象を抱いていたが、黙って黙々とやる姿に本当の性格がみえたー」。徐々に「小口勝也」という人間の芯の強さを感じるようになった。得間指導員は、「若い力。大会に出ていかに自分の技能を上げていくかが大切なことです。最終的には2012年の長野大会。メダルを目標に頑張っていって欲しい。最後は自分の力だけで頑張ってーそこだけですね」
EPSONものづくり塾のはからいで技能五輪の選手や訓練生とともに基礎訓練を受けた日々。そして、今は指導員のお二人と技能五輪まで進む。ともに支え合う仲間がいない寂さはあるが、小口さんが先駆者となり、いつか後輩たちととも大会に挑むことになるだろう。そして匠の仕事を引き継ぎ、次の世代へと繋げていく。
「他は有名な会社ばかりで出ていいのかな?みたいな気持ちはありますけど、負けないような気持ちで大会に臨みたい」「まずは一回目なので時間内に指示された動きをするものを作るというのが今の目標です。最終的にはメダルを狙います!」小口さんは、19歳。あと4回技能五輪に挑戦できるのだ。そして、技能五輪以降も視野に入れて日々の練習に臨む。
「将来は機械では出せない高精度の部品などの加工に携わっていければー」と憧れの匠達に囲まれながら語ってくれた。
感覚を研ぎ澄まし、0.01mm以下の精緻に挑む機械組立て職種は、人の手の感覚で金属を削り出す、まさに“ものづくりの原点”といえる。 図面を読み取り、個々の部品寸法の狙いを定め、ミクロンレベルの超高精度な加工をすべて人の技で削り出す。 加工した部品の寸法測定・確認をしながら組立て調整をし、動作させる。 これらすべてを6時間50分で仕上げねばならず、強固な体力・精神力が不可欠。全身で猛スピードでやすりがけをし、超高精度な加工品を作り上げ、組立てをする姿は圧巻である。
| 社名 | 野村ユニソン株式会社 |
|---|---|
| 代表取締役 | 野村 稔 |
| 設立 | 1963年 |
| 事業内容 | FA関連装置設計・製造(液晶/半導体/太陽電池/車関連等) 産業用/生活関連ロボット開発・製造、各種金型設計・製作 精密熱間中空鍛造、各種ダイカスト、流体制御、駆動装置 各種板金・溶接加工、環境関連機器、医療用機器 自社開発製品設計・製造、光造形加工品、輸入洋酒販売 |
| 従業員 | 374名 |
| 資本金 | 5,000万円 年商 160億円 |
| 住所 | 〒391-0001 長野県茅野市ちの650番地 |
| TEL | 0266-72-6151(代表) |
| FAX | 0266-73-6559 |
| URL | http://www.nomura-g.co.jp/ |