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自分×技能

スイートオアシス菓匠Shimizu
春日千佳子(入社3年)

この仕事、毎日楽しくて仕方ない!

スポンジ生地を焼いているのだろうか、ふんわりと甘い香りに包まれた店内は平日だというのに活気に溢れ、客足が途切れることはない。

町の愛されるケーキ屋さん「スイートオアシス菓匠Shimizu」のパティシエールとして働く春日さんは、入社3年目。
それまでは、ケーキのデコレーションやカットを主に担当していたが、「最近ついに仕込みを担当できるようになったんです!」と喜々として話してくれた。
人の喜ぶ顔が大好き。甘いものが大好き。ケーキの話になるとこぼれだすように言葉が溢れてくる。
そんな春日さんに、この仕事を選んだきっかけ、ケーキ作りへの想いを訊いた。

※patisserie パティスリー(洋菓子店)
※patissiere パティシエール(女性洋菓子職人)
※patissier パティシエ(洋菓子職人)


宝石のようなケーキをつくれるようになりたい

広いショーケースに詰め込まれたケーキはまさに宝石

お店の大きさとなにより充実したケーキの品数に驚かされる。まさにお菓子のお城だ。
「スイートオアシス菓匠Shimizu」は、総勢スタッフ25名。
福岡や大阪など日本中からケーキ職人を目指す若者がやってくる伊那というエリアでは驚くほど規模の大きな店舗である。
常時、70種類以上の生菓子と焼菓子が店内を埋め尽くしており、それが毎日どんどん売れていく。時間はあっという間に過ぎていくことだろう。
大変ですか?と訊くと、「いろんな種類のケーキがあって、それに触れられて毎日楽しいです」と春日さん。

小さな頃からお母さんと一緒にお菓子作りをしていた。
まるで宝石のようなケーキの世界に魅せられて、ついには自分でつくれるようになりたい、自分がつくったもので人に喜んでもらえるようになりたい、とパティシエールの道に進むことに決めた。
高校を卒業後、長野市の長野調理製菓専門学校へ。調理製菓学科で2年間学んだ。
その後、実家の近くにこんな素敵なお店がある!と「スイートオアシス菓匠Shimizu」に入社。
こんなにいい仕事はないと思った。
「高校の時、パティシエールになりたいっていうのは自分くらいでしたけど、それでもその気持ちを理解してくれる先生がいたから、自分の気持ちを信じて進んでみようと思ったんです」

毎朝自宅から30分かけて通っている。
その時間は自分にとって貴重な時間。気持ちを仕事モードに切り替える大切な時間なのだそうだ。


今日より明日もっとおいしく

抱えるほどの大きさのボールから、てきぱきと生クリームを分割する
下は、一番人気のモンブラン

パティシエやパティシエールに憧れる人は増え続けている。
一見華やかそうにみえる仕事であるが、実際は体力勝負。朝早くから夜までの立ち仕事で、時には30キロ近い粉を運んだりもする重労働だ。ひたすら作り続ける根気のいる仕事である。
それでも、だ。
ケーキをつくる楽しさや、出来あがったケーキをお客様に喜んでもらえる嬉しさに比べたらそんな大変さはちっぽけなもの。
甘い香りに心がうきうきする。生地に触れる毎日が楽しい。
パティシエ・パティシエールの仕事は最高に楽しい仕事なのだ。

「毎日5個はケーキを食べてます(笑)」
それはもちろん甘いものが大好きだからもあるけれど、毎日変わらずお客様に美味しいものを届けられているだろうか?と確認するためでもあるとか。
「昨日より今日はもっとおいしいケーキを、今日より明日はさらにもっとおいしく」
それが春日さんのこだわりだ。

取材後にごちそうになったモンブラン。(ごちそうさまでした)
お客様のことを思い描いて作るそのケーキは、ほっくりクリーミー。とてもやさしい味がした。


感覚勝負

生地全体を均一に仕上げる、これが難しい

今、担当しているのは「なめらかみるくちーずぷりん」の製造。
プリン生地を、丁寧に混ぜながら74度まで炊き上げる。
家庭で作るのとは違い、洋菓子製造の現場では大量に仕込むのが常。
何千グラムにも及ぶ生地を、ダマなく全体を均一な仕上がりにするのは、力もいるし、何よりその見極めが難しい。

生地のとろみやつや、混ぜる手に感じる重みなど、すべての感覚を研ぎ澄ませて生地と対話する。
そうやって、なめらかに仕上がった生地は、ぴかりと輝いているとか。
最近は自分の感覚だけで仕上げられるようになってきた。身についてきたと感じられる瞬間だ。


一番大切なのは続けていくこと

お菓子の話をする時はいつも、とびきりの笑顔

失敗を繰り返してしまう時がある。
「自分に任せてくれたシェフや先輩に申し訳無くて落ち込んでしまいます。責任を感じる仕事です」と春日さんは言う。
ひたむきに仕事に向き合うからこそ、このような想いが生まれるのだろう。

社長いわく、春日さんは「地味」なタイプ。
いわゆる技術一辺倒でがつがつ進むタイプではないそうだ。
真摯に、ひたむきに進んでいくその姿勢は、自分が進むべき道を遠く定めて、静かに熱く心を燃やしているようにみてとれた。

パティシエ・パティシエールを目指す後輩にひとことを、と言うと、
「まずは踏み出してみること。お菓子が好きなら、続けられる仕事です」と言う彼女の言葉に迷いはない。
「続ける」ということ。それが一番大切なことだ、と彼女はわかっているのだろう。
お菓子を愛し、人を愛する。愛にあふれた女性である。
彼女はこれからも、すっとまっすぐに未来をみつめて進み続けていく。


社名 株式会社 菓匠Shimizu -Patisserie Shimizu-
代表取締役 清水紀光
設立 昭和22年
事業内容 製菓製造業
従業員 25名(平成21年現在)
資本金 1000万円
住所 〒396-0006 長野県伊那市上牧区清水町6608
TEL 0265-72-2915
FAX 0265-76-8622
営業時間 10:00~19:00
定休日 火曜日
URL http://www.kasho-shimizu.com/
メールアドレス info@kasho-shimizu.com