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自分×技能

株式会社小松精機工作所
鈴木洋平(入社8年)

磨き抜かれた技術力が高性能・高品質な製品を生む

腕時計の部品製造からスタートし情報機器部品業界への参入など、常に挑戦する心を忘れず製品づくりを続けてきた小松精機工作所。
同社の自動車部品・オリフィスプレート(ガソリン電子燃料噴射装置のインジェクタ部品)の加工技術は世界でも抜きん出た特殊性と高さを誇り、現在世界シェア30%以上(自社推定値)を占めるまでに成長している。
この技術は、オリフィスプレートに施される斜め孔がガソリンを超微粒化し、適量を適所に的確に噴霧させて自動車の燃費を飛躍的に向上させるという業界全体の課題を解決させるだけでなく、地球環境にも大きな影響力を持つもの。
今回、その小松精機工作所のプレス加工技術者として8年を過ごした鈴木洋平さんにお話をうかがった。


微細だからこそ作り手の顔が顕著に出る

インジェクタの先端部分に装着されるオリフィスプレート。斜め孔は小松精機工作所が誇る特殊かつ高い技術の賜物

もともと車が好きでどのように造られているのかと興味を抱いていた鈴木さんは、就職活動時に地元諏訪市の小松精機工作所の存在を知った。「自動車部品を扱っていることと先を見据えた経営姿勢に可能性を感じ」物づくりの現場に足を踏み入れようと決意した。

大学で精密機械を専攻していたため金型のプレス加工は実習で経験済みだった。しかし仕事として直面する課題は思いのほかシビアなものばかり。「予期せぬトラブルが生じてまったく対処できませんでしたね。その都度先輩に教えてもらいました」と新人時代を振り返る。また、どんなに質の高い製品であっても納期を守れなければ話にならない。実習とはまったく違うのだ、これは仕事なのだと自分を戒める日々を送った。

驚くべきことに製品には機械を扱う技術者の「顔」が表れるという。「一瞬でも気を抜いたらそれが製品に出ます」。だからこそ手応えとやりがいが感じられるのだと仕事の魅力を語ってくれた。自分が作る部品が世界で使われ必要とされる。物づくりの醍醐味そのものであろう。


物づくりの血が流れる技術者

プレス加工機械の操作では一瞬たりとも気を抜くことなく集中力を高めて臨む

全力で取り組んでも失敗することもある。落ち込むこともあったがそこで立ち止まっても同じ過ちを繰り返すだけ。世界に通用する技術を担う誇りと緊張感が鈴木さんを後押しする。そんな鈴木さんのリフレッシュ法は? と尋ねると「ゴルフです!」と即答。「でもあんまりゴルフばかりだと嫁さんに怒られちゃうんですけどね…」と続けた。なんと鈴木さん、結婚して3年、1歳のお子さんがいるパパなのだ。

仕事は一切家に持ち込まず愚痴もこぼさないという。このメリハリが集中力の高さにつながっているのだろう。さらに昨年から上司に農地をかりて家庭菜園も始めたのだとか。「ゴルフは思い通りにいかないもどかしさがある分うまくなったと感じた時に嬉しいですよね。野菜は手をかけた分形になるのがいいんですよ」。それはどちらも物づくりと通じていますね?と問うと、ゆっくり頷いた。鈴木さんが根っからの物づくり人間であることは間違いなさそうだ。


現場の経験を土台に更なる躍進を

上司の白鳥さんと鈴木さん(上)
作業中の後ろ姿から緊張感が伝わってくる(下)

この春から上司となった白鳥さんは柔軟かつ責任感の強い人柄の鈴木さんを「青い炎」に例える。「業界はここ数年来殊に変化が激しく、求められる技術も高まる一方です。顧客から要求される部品仕様を充分に満足する為の努力無しには生き残れません」と白鳥さん。「彼ならやってくれるでしょう。現場時代から熱いものを感じていましたから」
と、さらに競争力を養うための策を一緒に考え実行していってほしいと期待する。

「会社の方向性は先輩や上司と話して共通認識を持ちます。後は自分より優れた人たちを目標に目の前の仕事を確実にこなすだけです」と鈴木さん。これから社会に出る若者には「ひとつでいいから目標を持ち、そこに辿り着くために今何ができるのかを考えてほしい」と言葉をいただいた。
目標とは、太く頑丈な軸となった後に養分をたっぷり含んだ糧としてその人を大きく逞しく育ててくれるもの。今の鈴木さんの姿がそれを実証しているのだ。


金型プレス技術者とは?

金型プレス技術者はプレス機械に用いる金型(同一部品を作り出すための型)の加工、メンテナンスおよび調整とプレス機械を操作し製品製造を行う。
今回紹介した鈴木さんが手掛けていた自動車部品の場合は特にガソリン噴射孔の直径が1ミクロン単位でつくり分けられるため、生産性の高さを維持するとともに精度を保つ高度な技術が求められる。業界の最先端分野だけに常に新しい技術と知識を習得する勤勉さと先見の明も重要。
また、オリフィスプレートの加工製造に関しては、その技術により燃料が微粒化するほど完全燃焼に近づくため省エネルギーや環境汚染の防止など世界規模のエコロジーと人類全体の利益を担う技術者でもある。

※1ミクロン=1000分の1mm(ミリメートル)


社名 株式会社小松精機工作所
代表取締役 小松 剛
設立 1953年(昭和28年)6月
事業内容 精密プレス部品一貫製造
■各種精密機械部品製造
自動車部品/腕時計部品/医療機器部品/情報機器部品/宇宙航空機部品 /各種金型部品・治工具
■難削材の切削・研削加工
従業員 230名(平成21年現在)
資本金 9750万円
住所 〒392-0012 長野県諏訪市大字四賀桑原942-2
海外拠点 Komatsu Seiki(Thailand)co,.Ltd. [従業員数 560名]
TEL 0266-52-6100
FAX 0266-57-2363
URL http://www.komatsuseiki.co.jp/