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目が印象的な女性である。
挨拶を交わすとき、質問に答えるとき。人の目をまっすぐと見つめる川上さんの眼からは、「仕事で培ってきた瑞々しい緊張感」が伝わってくる。
ホテルの料理人という「職人」のイメージが強い職場に若干18歳で飛び込んだ川上さんは、どのようにして今の仕事人になったのだろうか。
2009年10月の第47回技能五輪全国大会の日本料理部門にチャレンジする川上さん。大会3週間前の仕事と練習の合間の忙しい時間をもらって、仕事のこと、趣味のことなどの話を聞いた。
何十人分もの料理を一気に盛り付ける姿は真剣そのもの
高校時代の進路を決めるときに、考え抜いて料理の道に行こうと決心した川上さん。当初は料理学校に進学して技術を身につけようと思ったそうだ。
だが、最初は料理の道を選んだことに反対していたお母さんが「この子は本気だ」と理解したときから、すぐ実践の場に飛び込むように川上さんを説得しはじめる。
知人の料理店にまで川上さんを連れていき、「技術」は実践でしか身に付かないことの大切さを語ってもらうほどに。
納得した川上さんは高校卒業と同時に松本市浅間温泉の「ホテル玉の湯」に料理人として就職した。
初めての一人暮らし、初めての就職という環境に心細さを感じ、休みの度に実家に帰っていた川上さんだが、5年たった今は、休日には評判の飲食店に足を運んでみたり、華道を勉強してみたりと料理の道を進むことに不安はない。
初めて任された手作りのかまぼこを切る。まっすぐ切り通すのが難しい
実践の中で技術を身につけるしかない川上さんが厨房で包丁を握れるチャンスはそうない。スタッフの食事となる賄いが川上さんのデビュー作だ。よくある炒め物を作ったという。結果は?と聞くと「ボロボロでした…」と恥ずかしそうに笑う。プロの料理人が集う職場では日々の賄いが新人の技術をみる場であり、忌憚のない評価を得る機会なのだ。
「やっぱり悔しいし、次はできるようになっていたい」という川上さん。
入社5年たった今は、お客にお出しする料理として手作りのかまぼこと焼き魚を担当している。かまぼこを160人分に切ることの感想を聞くと、「まっすぐの物をまっすぐに切るのが難しい」、「四角いものを四角く切れるように基本を教えてもらっているんだと思う」と答えてくれた。
一見シンプルな返事だが、任された仕事から自分にとっての意味を見出そうとする彼女自身の視点を感じ取ることができる。
盛りつけられた料理はこの日の夕食の一品として並べられる
10代の後輩が同じように進路で悩んでいたらなんて相談にのりますか?と訊ねると、「まずはやってみることが大切だと思うんです。やってみて初めてわかることがあるとおもうので」と答えた川上さん。
18歳の時に徒手空拳で料理の世界に飛び込んだ彼女らしい返事だ。
社会人として5年を積み重ねてきて、知りたいことや今の自分に必要なことが見えてきたのだろう。
なぜ日本料理を選んだのかという問いに、「日本の美はほかと比べて繊細で美しいと思うんです。それを表しているのが日本料理だと思うし、私はそんな日本料理が好きなので」と答えてくれた。休日に華道教室に通うことも、日本の美を学びたいという気持ちの表れなのだろう。
この取材の3週間後には「第47回技能五輪全国大会 2009」の日本料理部門で長野代表として出場する予定だった。
この記事が掲載されている頃には全国大会での結果が出ているころだが、どのような結果にせよ、川上さんは自分の糧としてまた前に進んでいることだろう。
| 社名 | 松本あさま温泉 ホテル玉の湯 |
|---|---|
| 代表取締役 | 山崎良弘 |
| 設立 | 1951年 |
| 事業内容 | 宿泊業 |
| 従業員 | 40名(平成20年現在) |
| 資本金 | 1000万円 |
| 住所 | 390-0303 長野県松本市浅間温泉1-28-16 |
| TEL | 0263-46-0573 |
| FAX | 0263-46-5178 |
| URL | http://www.asama-tamanoyu.co.jp/ |
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