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小竹建設
竹内美和(入社2年)
こんこんこんこん、と鉋の刃を出す音が聞こえてくる。
木材の新しい香りが満ちた作業場から、笑顔の竹内さんが出迎えてくれた。
くるくると変わる表情と人懐っこい笑顔が魅力的な女性である。
丁寧に話す言葉ひとつひとつから、仕事に対する謙虚な姿勢と熱意が伝わってきた。
未だ男性の仕事というイメージが強い大工職人の世界。
それでも、とこの世界に飛び込んだ竹内美和さんに仕事のこと、これからのことを伺ってきた。
「普通ならまだまだ経験の浅い自分にはさせてもらえない仕事。本当に感謝しています」
と会社や先輩に対する感謝の言葉を常に忘れない。
竹内さんがこの道を志したのは高校3年の時。
「まずは自分にできることは何か、と考えた時に身体を動かしてものをつくることが好きだった自分」に気づいたという。
大工職人である祖父のアドバイスもあり、富山での2年間の専門学校生活を経て地元で大工職人への道をスタートした。
覚えることは限りなくある。
「専門知識に加え、自然のこと、木のこと、奥の深い仕事で毎日時間が足りません。眠くならなければいいのに」と笑う。
「家づくり」はひとの人生そのもの。妥協の許されない仕事であり、そのプレッシャーも強い。それでも「大工職人」という道を選んだのはなぜ?と訊くと、
つくったものがなくならない仕事、何十年何百年と残っていく仕事がしたい、何より人のためになりたいという想いが強くあるという。
「人のためになることを生業としたい」という強い想いが竹内さんの原動力なのだろう。
棟梁になるには、早くて5年。
仕事後は、道具の手入れに練習に、と遅い時間になることもしばしば。
「将来はどなたにも信頼してもらえる大工職人になりたい。自分を是非つかってもらいたいから本当に頑張らないと」と日々努力をかかさない。
入社2年目の竹内さんの業務を伺った。
「大工の初歩は押入れをつくることなんです。押入れには大工仕事のすべてが詰まっているから」との答え。
なるほど、押入れは家の中で主張することはないが、新人大工職人が「下地を組み」「床をはる」という建築大工の基本を学ぶにはうってつけの場所なのだ。
新人の自分ができることはまだ少なく、何回怒られたことかわからないそう。
「全然できなくて悔しくて大泣きしたこともある。でもめげていたら教えてもらえなくなってしまうから、次の朝には新しい気持ちで。なにより先輩の気持ちに応えたい」
「どんなに怒られても、ずっともっとやっていたい!という気持ちがあふれてくる。この仕事でやっていきたい」と語る姿はどこまでも謙虚である。
まずはできることから、と自分の礎をつくるべくひたむきに取り組んでいた。
休日は、高校時代から続けているという弓道をしているそう。
弓道をしている時はなぜか心がとても落ち着くのだとか。
思えば「弓道」も「大工」も古から伝わる日本の文化を形づくってきたもの。
高い精神性と礼儀を重んじる世界に身を投じる竹内さんの姿に一貫したものを感じた。
そうはいっても、まだまだ若い20代の女の子。友達と遊ぶことやお買いものをすることも忘れない。そのバランス感覚のよさがあっての日々だ。
季節の中でも考えることがある。
木たちは生きている。雨が降れば木は動くし、製材してすぐに使えない木材もある。
すべて自然の特性もみれるようにならねば一人前とは認められない。
体力はもちろん、頭も使い必要な技術は限りない。
「それだけに自分のすべてを出し切れるやりがいのある仕事」と竹内さんは言う。
これから大工職人を志す後輩には、「なにより喜んでもらえること、それを感じられるやりがいのある素晴らしい仕事。自分のためよりもお施主さんのために、と考えられるひとが向いているかもしれない。楽しい仕事です」と伝えたいそうだ。
10月に行われた技能五輪茨城大会では敢闘賞を受賞した竹内さん。
「出場までの2か月間、技能五輪にかかりっきりだった自分を支えてくれた会社と、訓練校の方々、友人、家族、先生のおかげでとれたメダルです」と最高の笑顔で応えてくれた。
まだまだ女性の少ない世界ではあるが、日々を大切に過ごしながらも、一歩一歩を着実に歩もうとする竹内さんならば、どんなことも自分の糧としていくに違いない。
| 社名 | 小竹建設有限会社 |
|---|---|
| 代表取締役 | 北澤 貢 |
| 設立 | 1947年 |
| 事業内容 | 建設業 |
| 従業員 | 6名(平成21年現在) |
| 資本金 | 300万円 |
| 住所 | 395-0004 長野県飯田市上郷黒田674-1 |
| TEL | 0265-22-5243 |
| FAX | 0265-53-3920 |
| URL | http://www.kotake.jp/ |
| メールアドレス | info@kotake.jp |