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信州ハム
吉澤利恵(入社10年)
昭和48年から発色剤・リン酸塩・結着剤・保存料・酸化防止剤・合成着色料・化学調味料などの食品添加物は一切使用しないグリーンマークシリーズの開発を他社に先駆けて行い、安心・安全のハムメーカーとして、揺ぎ無い地位を誇る信州ハム。
また、同社のハムやソーセージ製品は、原材料にこだわりを持つのはもちろん、本場ドイツの製法や、水や岩塩チップなどの素材までも妥協を許さない、誠心誠意が込もった製品だ。
今回、これらの信州ハム製品を支える研究開発部で、若くして室長に抜擢された、吉澤利恵さんにハムやソーセージの製品開発に関してそのやりがいについて伺った。
グリーンマークシリーズ
通常ハム、ソーセージは、見た目や、風味・食感の改善保存性の向上のため、調味料・発色剤・結着剤・保存料・酸化防止剤・着色料など様々な添加物が用いられる。添加物は化学合成で作られる化学合成添加物と塩、砂糖、野菜エキスなど食品素材とに分けられる。
市場に出回っているハム・ソーセージの多くに化学合成添加物が使用されている。
信州ハムのグリーンマークシリーズは化学合成添加物を一切使っていない。
化学合成添加物を使わないという選択はハム・ソーセージ作りにとっては、非常に困難な選択だ。
まず、肉がまとまらないため食感が悪い、保存が効かないため賞味期限が短い、発色がよくないため一見すると美味しそうに見えない。化学合成添加物を使わないという選択はハム・ソーセージ作りにとっては致命的とも言えるのだ。
化学調味料を使えば簡単に良い味が出るが、そういったものを使わないで味を出すのはとっても難しい」と語る吉澤さん。
35年前の開発当初はやはりといってよいのか、グリーンマークシリーズは全く売れなかったという。しかし、信州ハムではその後の開発をやめることはしなかった。「消費者にできるだけ安心して、ハムやソーセージを食べてもらいたい。」という思いから、ハムをまとめるために、質の良い原材料を探し用いたり、その他、使える野菜のエキスなどの食品素材の調合を工夫したりすることで、徐々に化学合成添加物を用いるのおいしさに負けない、製品を作り出せるようになる。
そして、現在では安心・安全のグリーンマークシリーズというブランドが多くの人に浸透するに至った。
しかしここで開発は終わらない。35年たった現在でも、できるだけ安全性の高い製品をより安く、より美味しく届けるために吉澤さんは日々開発を重ねている。
「35年の歴史を背負って、グリーンマークシリーズを安全性を確保しながら、もっと美味しく改良していくことに誇りを感じる」「味や見た目はもちろんのこと、価格面でも、まだまだ改良の余地が残っている」
私たちの食卓に安心を届けるために、グリーンマークシリーズの改良が日々行われている。
肉の下処理
研究開発というと、机上で考えて調査を行い、レポートとしてまとめるようなデスクワークを想像しがちだが、実際ハムの研究開発はまったくそうではない。
というのも、机上で組み立てた製品の設計が正しいかどうか実際作って見なければわからないからだ。このため、研究開発部では、実際にハムやソーセージを製造できる小規模な製造ラインを持っている。
ここで実際に、机上で計画した製造工程に基づき、肉の下処理から、ひき肉への加工、味付け、腸詰、燻製、包装まで一貫して製品を試作する。
例えば、燻煙時に脂が出すぎていないか?きちんと固まっているか?食感はイメージしたとおりにものに仕上がっているか?工場で大量生産するときにロスはないか?など様々なチェック項目をクリアしないと製品として採用されることはないという。
平成21年に技能検定1級に合格している吉澤さんは、「一通り作れないと配合は考えられませんから」と実務経験の大切さを語ってくれた。
子供の頃から食べるのが大好きで、大学時代は食べ歩きが趣味だったという吉澤さん。就職は絶対食べ物に関わる仕事に就こうと決めていたというが、その希望通り地元の信州ハムに入社する。
1年間の製造現場での経験を経て、念願の研究開発部に異動になる。最初は、自分の好きな味付けができる、自分の製品が作れるとと意気込んでいたが、、実際は原料の選定から、加工技術、製造に関わる法律など、ハムの開発には幅広く奥深い知識で必要であることを知り、何をどうしたらよいか分からない状況に陥ったこともあったという。
その後4年間の下積みを経て、並々ならぬ努力で2級と1級の技能士の検定を受け合格。自信を得るとともにやりがいも感じているという。
「努力して得た技術は体がちゃんと覚えています。手に職を持つ事は自信につながりますよ!」と穏やかな声で話すその姿から創造出来ないほどの自信と、これからももっと挑戦し続けようという強い気持ちを感じた。
吉澤さんの所属する研究開発部に求められるのは、新しい製品を開発するのはもちろんのこと、これまで作られた製品の改良も重要な仕事となる。
特に、グリーンマークシリーズは35年という長い歴史があるため、製品の質はある程度完成度の高いところにあるといえる。こういった製品において、さらなる改良を行うとすれば、もっと低価格でお客様が購入できるよう製品の安全性や質を落とさずに、製品の製造コストを下げる努力を行ったり、素材の調合を見直すことで、安定的な製造を行えるよう努力したするなど、ハム作りに関して、粘り強い対応が求められる。
また新製品の開発時には、誰も食べたことのない食感や味を目指すなど、クリエイティブな視点も欠かせない。
つまり、ハム・ソーセージメーカーにおける研究開発部の役割とは、私たちの食生活が安全でなおかつ豊かであるために、欠かすことのできない技術者であるといってよいだろう。
| 社名 | 信州ハム株式会社 |
|---|---|
| 代表取締役社長 | 中村 幸男 |
| 設立 | 1947(昭和22)年7月 |
| 事業内容 | ハム・ソーセージの製造・販売、及び精肉、総菜の販売 |
| 従業員 | 510名(平成20年現在) |
| 資本金 | 4億円 |
| 住所 | 本社 〒386-8686 長野県上田市下塩尻950 |
| TEL | 本社 0268-26-8686 |
| URL | 本社
http://www.shinshuham.co.jp/ |