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スペシャル

高校生たち
高校生ものづくりコンテスト

高校生ものづくりコンテスト 電子回路組立部門長野県大会

高校生ものづくりコンテスト。
過去には、トーエネック長野支店の竹内翔さん(技能五輪茨城大会・電工部門で敢闘賞を受賞)が電気工事部門で優勝をしたのをはじめ、数多くの技能五輪出場選手がこの大会を経て、技能五輪に挑戦している。技能五輪への登竜門とも言える大会だ。 ここを訪れれば、技能に挑戦する彼らの原点がみえてくるのではないか?そんなことを思いながら、高校生のものづくりへの想いを訊くべく、飯田工業高校へと取材へ伺った。

※高校生ものづくりコンテスト・・・これまでに学んだものづくり技術を競いあい、高めあう技能のコンペティション。旋盤作業・電気工事・電子回路組立・化学分析・測量技術・木材加工・自動車整備などの競技が行われる。長野県大会を経て、北信越、全国へとつながっていく。
※電子回路組立部門・・・制限時間180分の中で、「制御対象回路及び配線組立回路」を製作。その回路をコンピュータ(マイコン)に接続、「制御プログラム」を作成し、指定された動作を行うコンピュータ制御システムを完成させる競技。


理系の夏

(上)真夏の暑い日に行われた大会
(下)回路とプログラム。美しさと分かりやすさと

入道雲。グラウンドで汗だくになって走っている高校生。がらんとした教室。夏休みの一日に、飯田工業高校で高校生ものづくりコンテスト(電子回路組立部門)が行われていた。
そう、夏の大会は何も高校野球だけじゃない。「高校生ものづくりコンテストという大会があることをもっと広く知ってもらいたい」と担当の高田先生。

今回の電子回路組立部門の課題は、「現在の気温を表示させるコンピュータ制御システムの製作」
7セグメントLEDに現在の気温が表示され、冷却スプレーで冷やすと温度が変化する。このように、ひとつのシステムを構築することができるというのは、高校生にして即戦力で企業で働ける程の高いレベルなのだとか。全国レベルの選手もいる。続々と、ハイレベルな技術者のたまごたちが育っている。


高校生に訊く「ものづくりコンテスト」

真剣に、悩みながら問題を解決に導くために考える

「この大会に向けて、どれだけ練習をしてきたことか」
真夏の暑い教室で、集中してじっと基板に向かう姿から、そんな想いが滲み出てみえるようだった。
大会開始。
緊張感が漲る。黙々と進む作業。細かな作業に、はんだ付けに、と顔をぐっと回路に近付けて見つめている姿に必死の想いが伝わってくる。
開始から1時間が経過。
みな続々と回路製作からプログラム制御へと取り掛かっていく。手を合わせて空を見上げたり、苦しそうな顔をしたりと、苦戦している空気が伝わってくる。
大会終了30分前。
諦めない気持ちと、焦る気持ちと。
「終了しました」の声とともに、ほっとした表情や、悔しそうな表情を見せる人、やりきった!と伸びをする人、やっと終わったと力の抜けた表情の人と様々であった。
競技終了直後の高校生たちにお話を伺った。

大会出場3回目という松本工業高校の三年生
ワザキャン編集部(以下:編):「なぜこのコンテストに挑戦されたんですか?」
三年生:「ロボットをつくる技術がどれだけ向上したのかを知るために、高校生ものづくりコンテストに出ています」
編:「というとロボット部?部活では、どんなことをしているんですか?」
三年生:「マイコンカーなどのロボットを動かしたり・・・(と、制御されたラインに沿って走るマイコンカーの動画を見せてくれる)」
編:「なるほど。では、技術の向上と言っていましたが、特に力を入れたところは?」
三年生:「美しく回路を組むこと、わかりやすいプログラムを書くこと、、です」
編:「そうやって、まずは『動作させる』ということが大切なんですか?」
三年生:「動くことはまず前提です。動かなければ意味が無いからー」
編:「最後の夏を終えてどうですか?」
三年生:「悔いはありません!」
三年生:「僕は逆に悔いが残りました!」

飯田工業高校のみなさん
編:「率直にはじめての大会はどうでしたか?」
一年生:「もうやりたくないくらい。心が折れました。難しかったー」
編:「大会が?練習が?」
一年生:「どちらも(笑)でも来年も出ることになるんでしょうけど、、」
編:「大会や電子回路の楽しさってなんですか?」
三年生:「自分の手で何かできることがあるってことですかね。練習して、大会に出て、やればやるほどレベルアップしていくのが感じられるんです!そこが楽しい!」

岩村田高校のみなさん
編:「今回何回目の挑戦ですか?」
三年生:「初めてです。疲れました。」
編:「普段は部活動で?」
三年生:「いえ、大会にでることが決まってそれから練習して、、でも、ほんとすごく難しかったです」
編:「どの辺が難しかったですか?」
三年生:「プログラムがろくにわからなくて、でも全部です。全部わからなかったー」


挑戦者たち

大会を終えて。もてる技術と頭脳をすべて出し切り、疲労感と開放感でいっぱい

うまくできないし分からなければ誰もが苦しいし、投げ出したくなる。一年生の挑戦者たちはまさにそんな想いを抱えていた。
それでもー、と続けて、ふとした時に「あ、自分できるじゃない」と思える瞬間。それがあるからやめられないんだ!ときらきらとした表情で話してくれる三年生。みんな同じように、ひとつづつ山を越えてここまで来たんだ。と後輩に伝えようとしているようだった。

最初は、「なんだか難しそうなことをしている、、これは何をするための機械?」と思って見ていたが、競技を終えてみて感じたこと。
「自分の作った装置で、思い通りの動きをロボットがしたら?」
そんな想像をしたらわくわくしてくる。
彼らが目指しているものは、小さな頃に思った「ロボットを作りたい!」という夢そのまま。
磨いた技術を試して、比べて、自分を知って。そうやってすこしづつ夢をかなえる方法を模索しているのだ。

大会の結果、優秀賞 1位 草深大貴さん、2位 大平光介さん、3位 柴本大輔さん、4位 百瀬駿介さん、5位 木村琢磨さん、6位 井原千勇紀さん。
草深大貴さん、大平光介さん、の2名が北信越大会への切符を得た。


産学連携で取り組む

地元の電子工業会から、プロの目での審査とアドバイス

精密機械工業の盛んな長野県である。
長野県全体のものづくりの底上げのため、これからを担う若者たちを育成すべく、審査員に地元の電子工業系企業の方を迎えるなど、産学連携での取組みも行われている。大会は、現場の第一線で働く技術者のアドバイスを訊くことができるチャンスでもある。そのアドバイスが、また一回りも二回りも高校生を大きくするのだろう。

高校生ものづくりコンテストについては、こちら→
(社)全国工業高等学校長協会
http://www.zenkoukyo.or.jp/