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伊東真規子

亜細亜印刷株式会社
技能五輪ロンドン大会 日本代表候補
伊東真規子(入社3年目)
『長野市にある亜細亜印刷株式会社の伊東真規子さんが、来る2011年開催の技能五輪ロンドン大会・オフセット印刷職種の日本代表候補者に内定!』とのニュースがワザキャン編集部に飛び込んできたのは、技能五輪全国大会(神奈川)の開会直前・10月頭のこと。オフセット印刷という強豪多数の職種での長野県勢初の快挙に、早速お話を伺いに向かった。
亜細亜印刷株式会社、印刷部に所属する入社3年目の伊東真規子さん21歳に、技能五輪ロンドン大会の日本代表候補に選ばれた経緯と、現在、大会への意気込みを訊いた。
インクを練って機械に充填し、版を差し替えていく。
工場を案内され訪れた先には、数十メートルはあろうかという大型の印刷機・菊全4色機。その大型マシンを事も無さげに操作し、黙々と作業を進める女性が伊東さんだった。
「今日は、本の表紙を印刷しています-」と、入社3年目とは思えない慣れた手つきで、印刷された紙を一枚一枚確かめながら、機械に調節を加えていく。訊けば、メインで機械を操作するようになってからは、まだ1年なのだという。彼女が印刷オペレーターになったきっかけは?
高校卒業を前にして、事務の仕事を探していた伊東さん。亜細亜印刷の事務職に応募し入社したものの、社内見学をした時に印刷オペレータの仕事に惹かれるものがあった。早速、印刷オペレーターになりたいと直談判し、「やりたいというならやらせてみよう!」という自由な社風もあって、晴れてこの道を歩み始めた。
工場は、男性8名内女性は伊東さん一人。それでも物怖じひとつせず仕事に取組む。
「根っからのB型で負けず嫌い。なんでも極めたい凝り性なところがあるんです」「男の人には及ばないなんて言われたくない!」と伊東さん。負けず嫌いな性格も手伝って、気になることはとことん追求。インキのこと、色のこと、機械の構造など興味は尽きず、好きで始めたこの仕事に、どんどんはまっていく日々だ。
思ったように色が出ているかを確かめ、その都度判断を行う。経験がものをいう仕事だ。
「こんな大会があるけど出てみない?」と会社の人に声をかけられた。「何をやるのか未知で不安もあったけれど、チャンスがあるならとにかく挑戦してみよう!」と、技能五輪国際大会・印刷職種の国内予選会にエントリーしたのがはじまり。
8社13人の応募から第一次選考(筆記試験)を経て6人が残り、2010年10月の最終選考会(実技試験)の結果、晴れて伊東さんは国際大会の日本代表候補に内定した。
とんとん拍子にみえる彼女の躍進も、上司の大塚さんに言わせれば「それだけのことは教えてきたつもり、びしばし鍛えてますから」とひとこと。それもそのはず。亜細亜印刷株式会社の印刷部では、入社してすぐベテランと並び、同じ立場で印刷機を操作することになる。(一般的な企業では、ベテランの下に就いて何年かしてようやくメインで機械を担当できるそう)。日々の業務の中で、ベテランと肩を並べてマシンを操り、経験を積んできた彼女だからこそ出せた結果なのだろう。
今は、大会を意識しながらの日々の業務と、週一回のトレーニングを行っている。2009年、カルガリーで行われた技能五輪国際大会で、印刷職種は金メダルを獲っている。「私も負けたくない!でも-。」と前置きして語ってくれたのは、「変に緊張せずに、ちゃんと実力がその場で出せればいい」ということ。国際大会で求められるのは技能だけではない。メンタル面での強さが無ければ到底勝つことなどできないからだ。それだけ技能者としての高いレベルを求められるのが国際大会なのだ。
「植字工は、印刷物を作る上で神のような存在だった」と藤森会長。活字のすべてを知り尽くし、頭脳と経験とで植字を行っていったのだそう。
印刷の歴史を紐解く時、活版印刷を抜きにしては語れない。亜細亜印刷も活版印刷時代を経て現在に至っている。活版はデジタル化された今は消えゆく技術ではあるが、その芸術的なまでに美しい印刷の世界を亜細亜印刷に訪れれば見ることができる。
アジア活版資料館には、明治初期の印刷機から、鉛でできた文字のはんこうのような「活字」まで貴重な資料がずらりと並ぶ。それでもここにあるのはほんの一部と言うから凄い。それもそのはず。当時は文字の数・文字のサイズの分だけ「活字」があり、それら文字を選びとる文選工がいた。そして、一冊の本の文章を作り上げる植字工がいた。今では考えられない程おびただしい工程を経て、大切に丁寧に印刷物は作られてきたのだ。
歴史を経て、今は動くことのなくなった機械たち。伊東さんの操作する機械も、もちろんデジタル化されたものだ。だけれども、「いいものを作ってお客様に喜んでもらうためには決して妥協しません」「いつか資料館にある機械を操作してみたいです」と語る伊東さんに、アジアの印刷物にかけるものづくり精神は引き継がれている。
アジア活版資料館
開館時間:10:00~16:00
休館日:日曜日
入館料:無料
※来館の際は、必ず亜細亜印刷総務部までご連絡を。(026-243-4858(代))
薄いアルミの刷版をつけて、紙に転写して印刷物を刷りあげるのがオフセット印刷。印刷オペレーターは特色づくり(インクを混ぜ合わせて色をつくること)、ローラー調節、時にはマシンのメンテナンスなど機械に関するすべて操作し調節していく技術者のこと。経験により積み上げた技能をもとに、すばやい機械調整、特色づくりなどが求められる。
| 社名 | 亜細亜印刷株式会社 |
|---|---|
| 代表取締役 | 藤森 英夫 |
| 設立 | 1963年(昭和38年) |
| 事業内容 | 印刷に関する一切の業務(雑誌書籍印刷・商業美術印刷等) |
| 従業員 | 75名 |
| 資本金 | 2,000万円 |
| 住所 | 〒380-0804 長野県長野市三輪荒屋1154 |
| TEL | 026-243-4858(代) |
| FAX | 026-241-0674 |
| URL | http://www.asia-p.co.jp/ |