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匠に聞く

フローリスト桜屋
桜井慎(取締役専務)

自分の表現を発信し続ける

JFTDジャパンカップ全国大会 セミファイナル(準決勝)、ザ・ファイナル(決勝)出場。全日本花き装飾技術選抜選手権 第3位2回。TVチャンピオン お花屋さん選手権優勝。
全国区の大会で多数の賞を受賞しているフラワーデザイナーであり、町のお花屋さん「フローリスト桜屋」のオーナー。
お花を自分の道にと決めてから、20年近く。地元にお花のある生活を届けながら、花で表現すること、デザインすること、尽きることない思いで挑戦を続ける桜井慎さん。
貫いてきた気持ちや、今後の夢について、JFTDジャパンカップ北関東甲信越予選を明日に控え、作品制作をされている中、お話を伺ってきた。

JFTDジャパンカップ全国大会・・・毎年、東京ビッグサイトで開催される「フラワードリーム」で行われる日本一のフラワーデザイナーを決める大会。ザ・ファイナルは全国の上位10名による決勝。


緊迫感に包まれながら2時間。花と対話する至福の時間

大会にむけて制作中の作品。

伺ったのは、夏に開かれるJFTDジャパンカップの予選会である北関東甲信越予選のための作品を制作されている真っ只中。
大会は、「鋏で花を切る音しかしない心地よい緊迫感の中で、花と向き合うことのできる至福の時間」と桜井さん。
普段のお客様との会話を楽しむ時間とは違う楽しさが大会にはある。
大会に出ることで、自分の引出しが増え、自分の中での自信に繋がっていく。
そして、それらが店舗のディスプレイやアレンジメントなどに生かされていくのだそうだ。

草をテーマした作品は、まだ制作途中段階とはいえ、草の匂いや待ち遠しい春を感じられて見ているだけでうきうきとした気分になる。
取材の只中にもどんどん手が加えられ変化して、まだこれからどんな形に変わるかわからない。
どんな表現にもできる。だからおもしろいのだとか。
表現者であり、発信する人である。
心の中にあるものを発現し形にする。そしてそれらを発信していくことの凄さや素晴らしさを感じたひとときである。


花で表現する楽しさに出会った

そっと、ひとつ確かめながら、お花で表現していく。

お花屋さんになると決めたのは、高校を卒業してすぐのこと。
軽井沢に始まり、感動するものに出会えばそこで勉強をしたい!と和歌山へ。各地で5年半修行を積んだ。
修行の後、長野に戻ってからは普通に花束を作る毎日を思い描いていたが、大会があることを知り、様々なデザインを身につけていく中で、どんどん花の世界にのめりこんでいった。

「決められたものを毎日作っている訳じゃなくて、毎日違うものをやるので、その時々の表現ができる」
「花には感情が表現できる。そういうのが楽しくてしょうがない」

花の魅力は知れば知るほど、触れれば触れるほどに増していくのだそうだ。
そして、その大好きな花を、いかに美しく、長持ちさせ、何よりお客様に手に取ってもらうこと。選ばれる花を作ることを日々考えている。
売るアイデアや生かすセンスなしには、花を扱うことはできない。
「花は生き物」
だから難しく、そして楽しい。


花を生かすこと。それが一番。

「手」をテーマにした作品は結婚のお祝いに。薬指には指輪代わりのお花

「恰好よく」であったり、「かわいく」であったり。
その花のもつエッセンスを充分に引き出すコーディネートをするのが、フラワーデザイナーとしての自分が意識していること。
そして、その想いが花を貰った人 あげる人に少しでも届けばいい。そう思って作っている、と桜井さん。

「僕が作って、頼まれた方がその花を誰かにあげる。 僕があげる訳ではなくて、お願いされた方があげるので、どこまでその人の思っていることに近付けるか。それをどれだけアレンジにいれられるか。それは忙しいながら一個一個に思ってやっています」

花を贈ることは、想いを届けること。
充分に花の魅力を引き出してあげることで、その想いを形にするのがフラワーデザイナーなのだ。


夢は「長野県が花の消費で日本一」

ひとあし早く春を感じられる花の香りで溢れた店内

花の生産地としてはメジャーな長野県であるが、消費となるとめっきり少ない。
長野の人にもっと花を飾ってもらうため、花を身近に感じてもらうため。
そう思って8年程前に始めたのが、フラワーデザインスクール「フルール・ド・スリジエ」だ。
修了した生徒さんは、先生になれるシステムで、その生徒さんがまた教え子を育てる。
そうして、自分でアレンジをして玄関に飾る人が増えれば、花を絶やさないことに繋がる。
他にも、保育園幼稚園でクリスマスにリースを作ったり、バレンタインに親子でアレンジメントを制作してお父さんにあげることを提案してみたり。
そうやって花への興味を拡げ、花を日常的に生活に取り入れてもらうために努力は惜しまない。
「花への興味が繋がって、いずれはそれが実って、長野県がトップスリーくらいに入れば嬉しいかなって思って」
長野が花の溢れる街に。思い描く夢は、じっくりと着実に実を結んでいくことだろう。


取材後、「予選を通過して、JFTDジャパンカップ全国大会に出場することが決まりました」とのご報告をいただいた。
2010年7月、最高のステージで一体どんな美しさを表現してくれるのだろう。とても楽しみである。


社名 フローリスト桜屋(有限会社 桜屋)
代表取締役 櫻井 孝道
設立 2000年
事業内容 生花小売業
従業員 14名(平成21年現在)
資本金 300万円
住所 〒386-0401 長野県上田市塩川2942
TEL 0268-36-1187
FAX 0268-36-1188
URL http://www.f-sakuraya.com/
営業時間 9:00~19:00
定休日 なし